滋賀県長浜市の行政書士石原です。三連休はいかがお過ごしでしたでしょうか?私は、小屋の片づけなんかをして、汗だくになったりしていました。
はじめに
前回、自筆証書遺言のメリット・デメリットについて記事にしました。今回は自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の中の公正証書遺言のメリット・デメリットについて書いてみようと思います。
公正証書遺言のメリット
公正証書遺言のメリットは、3つの遺言の中で、一番安心な遺言ということです。
どう安心なのかというと、
・ちゃんとした遺言が出来る。
他の遺言とは違い、公証人と呼ばれる専門家が遺言書作成にかかわりますので、法的に有効な遺言を残すことが可能です。また、相続の手続きがスムーズにいくように書き方のアドバイスも受けることが出来ます。
・遺言書を保管してもらえる。
これも他の遺言とは違い、公証人役場で原本を保管してくれますので、もし、遺言者が持っている遺言書の控えを無くしても、遺言が無かったことになる心配がありません。また、遺言書の改ざんなどの心配も無くすことが出来ます。
・検認手続が不要
通常、遺言書は遺言者が亡くなったあと、遺言の内容の確認と偽造や変造の防止のために、家庭裁判所に検認という手続きを受ける必要があります。しかし、公正証書遺言の場合は、遺言書が公証人役場に保管されており、内容も明確で、偽造や変造の可能性もないので、この手続きが不要になります。なので、相続人の手続きの負担を減らす事が出来ます。
このような点で、他の遺言に比べると、安心な遺言になります。
公正証書遺言のデメリット
公正証書遺言には下記のようなデメリットがあります。
・費用が掛かる。
公正証書遺言には、公正証書作成手数料他に必要であれば、証人の日当や公証人の出張費用等が掛かります。公正証書作成手数料は財産の合計額に応じて金額が変わり、最低5,000円からとなっています。詳しくは下記の表をご覧ください。
目的の価額 | 手数料 |
---|---|
100万円以下 | 5000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7000円 |
200万円を超え500万円以下 | 11000円 |
500万円を超え1000万円以下 | 17000円 |
1000万円を超え3000万円以下 | 23000円 |
3000万円を超え5000万円以下 | 29000円 |
5000万円を超え1億円以下 | 43000円 |
1億円を超え3億円以下 | 4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算 |
3億円を超え10億円以下 | 9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算 |
10億円を超える場合 | 24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算 |
・遺言の内容を第三者に知られてしまう。
他の遺言と違い、遺言の内容の確認を証人立ち合いのもとする必要があるので、遺言の内容を知られてしまいます。守秘義務があるので、内容を口外されることはないですが、だれにも遺言の内容を知られたくないという方には向かないかもしれません。
まとめ
公正証書遺言は遺言の専門家がかかわるので、遺言の内容も安心できて、遺言書も保管してもらえ、検認手続も省略できるとても便利な制度になります。費用などデメリットもあるのは確かですが、それを上回るぐらいのメリットがあります。
日本公証人連合会が公表している公正証書遺言の作成件数をみても、近年申請件数は増加していますので、今後遺言書を残されたいとお考えの方に一番おすすめできる遺言です。