遺言は3種類あります。

ノートとペン

滋賀県長浜市の行政書士石原です。3連休がスタートしました。海開きしたところもあるみたいなので、海水浴に行く人やバーベキューに行く人も多いのではないでしょうか?私はまだ行ったことがないのですが、滋賀県には湖水浴があるみたいです。海と違って淡水なので、ベタベタしなくて気持ちよさそうですね。

はじめに

遺言は一般的には自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言の3種類の遺言があります。他にも特別な遺言として、船で遭難した時などに残す遺言もあるのですが、特殊なケースなので、特別の遺言はここでは考えなくてもOKです。今回は、上記3種類の遺言の内容について簡単に書いていこうと思っています。

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言は、文字通り手書きの遺言なります。自筆証書遺言を書く時の約束事は法律で決まっていて、下記のような条文があります。

民法968条

1項 自筆証書遺言によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

シンプルな条文なので、これだけでも理解できるかもしれませんが、要約すると、

自筆証書遺言を書くときは

・全部手書き

・氏名、日付、内容の記載

・押印

上記の約束を守ってくださいね。とういう事が書いてあります。

一番手軽な遺言になりますので、紙とペンと印鑑があれば、すぐに書くことが出来ます。

公正証書遺言とは

公正証書遺言は公証人役場で作成してもらう遺言です。公証人と呼ばれる人が遺言者の要望に応じて遺言書を書いてくれます。公正証書遺言の手順は法律で決まっており、下記のような条文があります。

民法969条

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一 証人二人以上の立会いがあること。

二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。

四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

自筆証書遺言に比べると長文ですが、要約すると、

公正証書遺言をする時は

・証人2人以上の立ち合い

・遺言者が公証人に要望を伝える

・公証人が要望を基に遺言を作成して、確認する。

・内容に問題なければ、証人と本人が署名押印

・公証人が署名押印

上記の手順を踏んでください。と書いてあります。

公正証書遺言は作成後に、公証人役場に保管されるので、紛失などの危険がなく、プロが遺言形式を考えて遺言を作成してくれるので、遺言が無効になるなどの危険が少なく安心です。

秘密証書遺言とは

秘密証書遺言は、公証人役場で遺言の存在を証明してもらう遺言です。公正証書遺言との違いは、公正証書遺言は遺言を公証人役場で作成保管してもらいますが、秘密証書遺言は自分で作成した遺言の存在だけを公証人役場で証明してもらいます。つまり遺言の『内容』につては一切触れません。秘密証書遺言も下記のような条文があります。

民法970条

秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一  遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。

二  遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。

三  遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。

四  公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

要約すると

秘密証書遺言をするには、

・遺言に署名押印

・遺言を封筒に入れて、遺言に押した印で封印

~ここまでは自分一人で出来ます。ここから下は公証人役場で行います。~

・証人2人以上の立ち合い

・封筒に公証人が遺言の提出日や、遺言者本人の遺言であること、氏名住所を記載

・遺言者、公証人、証人の署名押印

上記の手順を踏んでください。

という事が書いてあります。

遺言の内容を他の人に知られたくないという方が利用されることがあります。しかし、秘密証書遺言は、遺言の存在の証明はしてくれますが、内容に関してのチェックはしてくれないので、内容に関して誤りがあると、遺言が無効になる可能性があります。

また、保管を自分で行うため、紛失等で遺言がなくなると、内容が分からなくなります。

まとめ

自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類について、簡単に書いてみました。自筆証書遺言が一番手軽ですが、この中で、私がおススメするのは公正証書遺言です。公正証書遺言なら、プロが遺言を作成してくれますので、遺言の内容が無効になることはほとんどなく、内容も公証人役場に保管されますので、後々の遺言の管理も容易になりますよ。

 

次回は、3つの遺言について、メリットとデメリットについて書いていこうと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です